2024年12月1日
文通はマインドフルネスだった?
文通のお手紙を書いていて、気分がスーッとしたり、気持ちが落ち着いて穏やかになったりすることってよくありますよね。これ、実はいわゆるマインドフルネスだったみたいです。
マインドフルネスとは
数年前から耳にするようになった「マインドフルネス」という言葉。 一言でいうと「今」に集中するということで、モヤモヤしない心理状態で穏やかなスーッとした気分になれるみたいです。
この静かな心理状態、手紙や文通が好きな私たちであれば心当たりがあるのではないでしょうか。 そう、文通相手にお手紙を書いているときの気分にすごく似ていますよね。
今回は、文通とマインドフルネスには関連があるのか、関連があるとしたらそれはどうしてなのか、このあたりを考えてみたいと思います。
「書く」ということ
まず、「書く」という行い自体がかなりマインドフルネス的な行いなので、このことを整理してみます。
人はどうしても、気づいたらなにかを考えているものです。 そしてただ考えているだけだと、同じ思考がグルグルと頭の中を回ったり、考えてもしかたのない過去や未来のことがモヤモヤと気になり続けたりしてしまいますよね。
そこで自分の頭の中を紙に書き出してみると、自分の思考を自分自身からいったん切り離して冷静にとらえることができます。 冷静に客観的に自分を見ると、余計な思考を取り払ってくれて「今」に集中することができます。 これができるからこそ、「書く」という行いはマインドフルネスにつながるわけです。
つまり「書く」ことによる客観視が、マインドフルネスに効果的ということですね。
「文通のお手紙を書く」ということ
「書く」というのがマインドフルネスに効果ありなのは間違いなさそうですが、そうなると次はどうやって「書く」のかということが問題になります。
というのも、自分の頭の中を淡々と書き出していくのは意外と難しくて、自分を客観的に見つめているつもりでも実はうまくできていなかったりするものなのです。 しかも、自分のマインドフルネスのために時間を設けて思考を書き出していくのを想像すると腰が重くなって、「書く」ことにそもそも着手できなかったりもします。
そこで効果を発揮するのが文通です。 文通では、相手のことを考えてお手紙を書きます。相手に伝えるために書くというのは強いモチベーションになりますので、ここで「書く」ためのきっかけが自然と生まれます。
そして、文通相手に向けて書くというのがこれまた有効で、誰かに向けて伝えるための文章を書くということは、そのときの自分は相手の気持ちを想像しているわけです。 相手の気持ちを想像することで実は、相手から見た自分、つまり客観的に見たときの自分が自然と意識されているのです。 つまりマインドフルネスに有効な、客観的な心理が実現されています。 文通相手に手紙を書いていると頭がすっきりするのも納得です。
冷静に自分を見つめながら自分のことを手紙にしたためる文通は、ただ楽しいだけの豊かな趣味ではなく、マインドフルネスにも効果のある最高の趣味だったのですね。 これからもますます積極的に手紙と文通を楽しんでいきましょう。