2021年6月11日

文通とHSPは相性抜群

少し前から、HSPという概念が多くの人に知られるようになりました。今回はHSPと文通との相性のよさについて考えてみました。

HSPとは

HSP(Highly Sensitive Person)は「すごく敏感な人」というような意味の概念です。 感受性が生まれつき強く、多くのことを敏感に感じ取る気質を持った人のことを指します。 この数年で、HSPという言葉は少しずつ広まってきました。

HSPの人には、生まれつき次のような特性があります。

  • 周囲の環境や刺激に敏感に反応する。五感が鋭い。

  • 人の気分に強く共感したり、人の感情の動きにすぐに気がついたりする。

  • 感じたり気がついたりすることが多いため、動揺しやすく疲れやすい。

  • 物事を深く考える傾向がある。悩みやすいこともある。

およそ5人に1人がHSPの性質を持っていると言われています。 HSPは先天的な気質であり、病気ではありません。

5人に1人という割合は決して少なくありませんが、HSPの人からみると、多くの人が自分とは違う気質を持っていることになります。 そのためHSPの人はしばしば、「自分は人と違って、なにをするにも気にしすぎてしまう」「すぐにくよくよしたり疲れたりしてしまう」などの理由から、生きづらさを感じたり、自分を否定したりすることもあります

いまではHSPに関する書籍もたくさん出版されていますので、興味のある方はぜひ一度読んでみてください。

HSPに文通が向いている理由とメリット

そんなHSPの性質は、実は文通との相性が抜群です。 ここではその理由を説明します。

1.自分なりの疲れないペースで取り組める

文通は、自分の時間を贅沢に楽しむ行為です。 相手と対面するコミュニケーションではないので、相手の顔色を気にしたり、即座に返答したりする必要はありません。 基本的に1対1のやりとりになりますので、大人数のなかで疲弊することもありません

手紙のやりとりではSNSと比べて返信を急かされる感覚になることも少ないため、疲れたときはゆっくり休みつつ、人とのつながりを感じたいと思ったときに無理なく相手とのやりとりを楽しむことができます。

2.手紙から多くのことを感じ取ることができる

HSPの人は、そうでない人と比べて一般に、手紙からより多くのことを感じ取ることができます。 文章の内容自体に加えて、文字の雰囲気や、便箋や筆記具の選び方などからも、文通相手の気持ちや性格を繊細に感じ取ることができます。

直接会っていないのに多くのことが感じられる文通は、HSPの特性に合った楽しいコミュニケーションです。

3.文通の相手に深く共感しながら丁寧に手紙が書ける

文通では、相手のことを想像したり、相手に共感したりしながら、手間と時間をかけて手紙を書くことができます。HSPの人は想像力が豊かですので、この手紙を書く楽しさが存分に味わえます。

文通相手のことを考えながら筆記具やレターセットなどをじっくりと選んだり、気持ちを込めて文字を書いていったりするのも、HSPの豊かな感性ときわめて相性のいい組み合わせです。

4.優しいやりとりでお互いの心を癒やすことができる

文通では多くの場合、気の合う相手を選んでやりとりすることになります。 つまり、HSPの人の文通相手は、同じようにHSP的な気質を持った人に落ち着くことが多くなります。

HSPの気質を持つ人は5人に1人の割合なので、日常生活では必ずしもHSP同士でやりとりすることばかりではありません。 しかし、文通では話が変わります。適切な方法で相手を探せば、必ず自分と似た文通相手を見つけることができます

多くの人には理解されない繊細な感覚を、同じように理解し合える文通相手と交換するのは、お互いの心を癒やす優しいやりとりになります。

HSPが文通を楽しむコツと注意点

HSPと文通との相性は抜群なので自然と文通を楽しめる人が多いのですが、少し意識することでさらに文通が楽しくなるようなコツと注意点を整理してみました。

1.あえて知らない人と始めてみる

HSPの人が文通を始めようと思い立ったら、初めのうちは、あえて知り合い以外の人を文通相手に選ぶのがオススメです(文通相手を見つける方法は後述します)。

気心の知れた人と文通するのももちろん楽しいのですが、知り合いとの文通はどうしても実生活での立場や関係に影響されますので、なにかと気にすることが増えてしまいがちです。 逆に、知らない人との文通では、相手との接点が手紙のやりとりだけになるため、想像力を働かせたり手紙を書いたりすることに集中しやすくなります。

また、文通相手との相性は、実際には文通を始めてみるまでわかりません。 したがって、文通を始めてみたら意外と相性のよくない相手だったということもあります。 そんなときでも、文通以外に接点のない相手であれば、知り合い相手の文通よりは比較的気楽に文通をやめることができます

ちなみに、こちらのページでは文通の始め方についてもう少し詳しく説明しています。 よければ参考にしてください。

2.文通相手はプライバシーが守られる方法で探す

これは必ずしもHSPの人に限った話ではありませんが、たとえばSNSなどで文通相手を探して文通を始めると、相手に自分の住所や本名を伝えなければいけません。 これはプライバシーを危険にさらすことになるためオススメできません。

もし文通をやめたくなった際も、住所や本名が文通相手に知られていると、後々までプライバシーのことが気になってしまいます。

いまは住所や本名などのプライバシーを守った状態で文通が楽しめるサービスがありますので、そういった文通専門サービスを利用して文通相手を探すのがオススメです(もしよければ、このブログを運営しているレタレタをご利用ください)。

3.気の合う相手が共感してくれそうな自己紹介を書く

レタレタなどの文通専門サービスで文通相手を探す際は、プロフィールや自己紹介を登録したうえで、サービス上で気の合う相手を探して文通を申し込むことになります。 気の合いそうな文通相手は自分で探すのがもっとも確実ですが、たとえばレタレタの場合は、ほかのレタレタ会員があなたに手紙を送ってくれる可能性もあります。

このとき、HSPの感性に共感してもらえる相手と文通をしたい場合は、自己紹介欄には自分の趣味や好きなことに加えて、相手が共感してくれそうな具体的なエピソードも簡単に書いておくのがオススメです。 そうしておくと、「私も同じだ」と感じた人があなたに手紙を送ってくれやすくなりますし、逆にエピソードに共感できないと感じた人からは手紙をもらいにくくなるため、結果として、気の合う人と文通が始まる可能性が少し高まります

ただし、自己紹介を登録して誰かからの手紙を待つだけでは、文通の楽しさが感じられるまでに時間がかかる恐れがあります。自己紹介をある程度書いて登録したら、まずはぜひあなたから、気の合いそうな相手に手紙を送ってみてください

4.やりとりが楽しいと思える相手とだけ、文通を続ける

あなたから送った手紙に相手が返事を送ってくれたら、いよいよ文通が始まります。 ここでぜひ意識したいのは、すべての相手と文通を続ける必要はないということです。 共感力の強いHSPは優しい性格の人が多く、多少無理をしてでも文通を続けてしまうことも多いので、この点はあらかじめ意識しておくのがオススメです。

HSPと文通の相性がいいのは、自分なりのペースで気の合う相手と穏やかなやりとりができるからです。 文通をすることであなたが疲れてしまっては本末転倒です。 お互いが楽しいと思えてこそ充実するのが文通ですので、もし「正直、あまり文通が楽しくないな」と感じた場合は、ぜひ思い切って文通をやめてみてください。

気の合う文通相手が見つかるかどうかは縁次第です。 いまはレタレタも、またレタレタ以外にも、文通相手を見つけられるサービスがあります。 あなたが文通を楽しめる相手は、複数の人と手紙をやりとりするうちに必ず見つかります。 ぜひ、無理のないあなたなりのペースで、気長に文通相手を探してみてください。 そして、気の合う文通相手と出会えたら、手紙ならではの贅沢な時間をゆっくりと感じてみてください。