2021年9月4日

文通に似ているかもしれないこと

手紙や文通の楽しさをもっと深く理解するために、文通に似ていることを考えてみようと思います。文通ならではの楽しさは、未体験の人にとって少し想像しにくいような気がするので、そういうときにこの記事が少しでも参考になれば幸いです。

おしゃべり、LINE、SNS

人との交流を楽しむという意味では、おしゃべり、LINE、SNSなどは、やはり文通と共通するところが多いように思います。

一方で、文通との大きな違いは、相手との距離感と、時間の流れるはやさにある思います。 文通では、離れた相手のことを考えながらゆっくりとやりとりすることになりますので、おしゃべり、LINE、SNSなどよりも落ち着いた気持ちで人とのやりとりを楽しみたいときには、文通が向いている気がします。

ちなみに、文通とSNSの違いについてはこちらのページでも説明しています。 よければこちらもご覧ください。

ラジオ放送

ラジオが好きな方は、実は文通と似た楽しさを味わっている気がしています。

映像ではなく声だけを聞いて楽しむことによって、ラジオを楽しむときにはなぜだか親近感が生まれます。 この親近感が、手紙の文章だけでやりとりする文通の親近感と、どこか似ているように思うのです。 相手の映像がないことで、受け取る情報量は減っているはずなのですが、かえって不思議と相手のことが身近に感じられるのは、文通と似た特徴だなと思います。

多くのラジオ番組にはメールやFAXで声を届けることができるという点も、手紙で思いを届ける文通と似ているところなのかもしれません。 つまり、すぐさま反応が返ってくるとは限らないという心地よい距離感も、ラジオと文通とで共通している気がします。

それと、これはラジオではなくテレビの番組なのですが、たとえば「はやく起きた朝は…(フジテレビ系列、毎週日曜日 6:30 - 7:00)」のような、視聴者投稿ありのトークバラエティ番組からも、同様に文通と似た雰囲気を感じて、観ているといつもうれしい気持ちになります。

ファン活動(推し活)

有名人やインフルエンサーを応援するファン活動(推し活)にも、少し文通と似た雰囲気を感じます。 簡単に会えるわけではない憧れの人を応援することが、会わずに手紙で交流を楽しむ文通と少し似ている気がするからです。

一方で、文通とは違う点もいくつかあります。 ファン活動では相手が憧れの人になりますが、文通の多くは相手が対等な関係になります(相手からの反応が返ってくる可能性の高さも、文通のほうが高め?)。 本格的に楽しもうと思ったときにかかるお金は、ファン活動よりも文通のほうが少なくすむかもしれません。

ちなみにレタレタでは、共通のファンを持つ人どうしで文通を楽しんでいる方も多いようです。 ファン活動をしながら文通を味わうのは、憧れの人を追いかけながら共感できる友達も作れて、楽しそうです。

日記

ここまでは文通の楽しさのうち、おもに相手と心地よい距離感で交流できるという点に注目してきました。 しかし、手紙や文通の楽しさはそれだけではありません。 もうひとつの大きな楽しさとして、落ち着いて自分と向き合ったり、自分の好きなことに没頭したりする時間が持てるということが挙げられます。

文通で手紙を書いたことのある方にはわかっていただけると思うのですが、相手に向けて手紙を書いているとき、実は自分だけの小さな世界を築き上げているような感覚が生まれます。 つまり、相手とやりとりする以前に、相手のことを考えながら好きなレターセットや文房具で手紙を書き上げている時点で、文通ならではの楽しさを味わうことができるのです。

これと似た楽しさは、たとえば日記を書くことにもあると思います。 文章を中心に表現するということも、日記と文通とで共通しています。

違うことがあるとすれば、日記は自分に向けて書くもので、文通の手紙は相手に向けて書くものだということです。 相手のことを考えながら「これが相手に届くんだ」と思って書くことで、自分だけに向けて書くときとはまた違った発見や充実感が得られます。 これも文通のいいところだなと思います。

なにかを作る活動(手芸、料理、イラストなど)

自分と落ち着いて向き合えることの楽しさは、日記や手紙に限らず、なにかを作るということ全般に当てはまります。 違うのは、文章を中心に楽しむか、それ以外のものを作ることで楽しむか、ということだけです。

たとえば、手芸、料理、イラストなどは、レタレタ会員の方々のなかにも好きな方が多くいるようです。

その好きなことについて文通の手紙で語り合うという楽しみ方もあります。 仲間を増やしながらものづくり活動を楽しめるのでオススメですよ。